沖縄の風が吹いてきた日

沖縄の風が吹いてきた日

普段は菓子などの甘いものを買ってまで食べる事はしないのだが、
その日はなぜか、無性に甘いものが食べたかった。
スーパーへ日用品の買い物へ行ったついでに、お菓子売り場を見ていると、
ふいに黒糖が目に入った。加工していない、沖縄産の黒糖である。
固形で、つまんで食べる事が出来るタイプなので手軽だし、
値段が手頃な割には袋にたっぷり入っているので、
きっと長持ちするだろうと思い、購入して帰った。
家に帰ってから袋を開け、一口つまんでみた。
口の中に広がった甘い味わいが、
以前沖縄に行った時に見た美しい海を思い起させて、
どこか懐かしい気持ちになった。
その日の夜、家人が大きな袋を持って帰宅した。
何が入っているのか尋ねてみると、
旅行に行ってきた職場の人からお土産を貰ってきたのだという。
袋を開けてみると、沖縄のさーたーあんだぎー(丸いドーナツのようなもの)が、箱いっぱいに詰まっていた。
そもそも甘いものを食べたくなる事自体が珍しいのに、
そのうえ同じ日に沖縄産の食べ物が手に入るとは、
面白い偶然もあるものだと驚くと同時に、
愉快な気分にもなった。
その一連の愉快な偶然を家人に話すと、同じように面白がっており、
面白い事を他人と共有する喜びも味わう事が出来た。